「来るもの拒まず」をやめた理由
おんせん県おおいたで
旅行会社をやっています
おおいたツーリストの中村です
2026年8月23日日曜日
2557号になります
きょうも宜しくお願いします
先日、市内のある企業さんから
「今後発生する新規の
出張手配をお願いできないか」
というお電話をいただきました
恐らく航空券やJRとホテルが
セットになったパッケージ商品や
それぞれを単独で手配する案件
いわゆる個札(こさつ)の
取扱い契約になります
このブログでも何度か書いていますが
現在、一部の以前からのお客様を除き
当社では新規個札手配をお受けしていません
理由はいくつかあります
まず今は、企業でも個人でも
自分で簡単に予約できます
航空会社やOTA(楽天やじゃらんなど)
のサイトやアプリを使えば
スマホひとつで予約も決済もでき
しかも多くの場合、旅行会社を
通すより安くてポイントもつきます
旅行会社が手配する場合は
販売手数料がほぼない商品も多く
別途手数料をいただかなければ
ほとんど利益が残りません
もちろんネットが苦手な方から
「数千円払ってでもお願いしたい」
と言われることはあります
その場合は代りに操作をしたり
受ける事もありますが
自分で簡単にできるのに
わざわざ旅行会社に手数料を払うのは
「もったいない」と思いませんか
さらに最近は、商品のルールも
昔とはかなり変わりました
例えばほとんどが
「予約したら即発券」です
発券しなければ予約は流れます
流れて再度取り直せば、金額が
既に変わっていたりします
発券すれば、直後であっても
変更や取消に手数料がかかります
以前なら
「やっぱり一本前の便にして」
「ホテルを変えて」
といった変更も比較的柔軟に
対応できましたが今はそうはいきません
それを説明していても
「さっき頼んだばかりなんだから」
「今日中なら変更できるでしょう」
なんて言われることもあります
お客様にとっては簡単な変更でも
旅行会社側ではそう簡単ではない
申し訳ないですが・・・
その精神的な負担も結構あるのです
そして、もう一つ大きいのが
資金繰りの問題です
半年先の出張であろうと
発券した時点でウチには請求が来ます
ところがお客様(会社)からの入金が
出発日ベースだったら、
半年先迄ウチが立て替える事になります
少ない件数ならまだしも
件数も金額も増えてくると
妙に余裕なくなったりして
会社を立ち上げて4年目だった
2019年のコロナ前までは
うちも個札をどんどん受けていました
「ありがたい、ありがたい」
と言いながら、薄利でも配達をして
後請求でも構わない、まさに
「来るもの拒まず」でやっていました
ところがコロナになり
出張も旅行も一気になくなりました
本当に何も仕事がなくなった時期です
そこで気づいたんです
お客様は旅行者を通さず
自分でネット予約をして旅行や
出張に行くようになっていました
そしてこちらも
手配ミスによる負担
変更や取消のトラブル
入金までのタイムラグ
売掛金の管理
これらがなくなるメリットは
思っていた以上に大きかった
もちろん、個札を受けること自体が
悪いわけではありません
今でもそうした仕事を積極的に
受けている旅行会社さんもあります
ですから今回のお電話についても
「そんな仕事はやりません」
と決して横柄な気持ちで
お断りしているわけではありません
むしろ旅行会社としては
せっかくのお話をお断りするのですから
私自身も「もったいないな」と
電話を切っても少し後悔はします
でも経営は「仕事が来たから全部受ける」
だけでは続きません
利益が残るのか
資金繰りは大丈夫なのか
トラブルが起きた時に対応できるのか
そこまで考えて「やる、やらない」を
決めるのも大事だと思っています
昔の私なら喜んで受けていたと思います
でも、会社も私も少しずつ変わってきました。
「何でも受けます」から
「うちがやるべき仕事を受けます」へ
これもコロナを経験して
旅行会社として学んだことの
一つだと思っています
それでは今日はこれくらいで

