誰のための応援割?中小零細旅行社のホンネ
おんせん県おおいたで
旅行会社をやっています
おおいたツーリストの中村です
2026年8月25日火曜日
2559号になります
きょうもよろしくお願いします
政府は先月28日に発生した
熊本地震からの復興に向けて
旅行代金の一部を公費で補助する
観光需要喚起策
「九州応援割」
の実施を検討しているんだそうです
まだ具体的な割引率や対象地域
実施時期などは決まっていませんから
現段階で制度そのものを
批判するつもりはないですが
旅行会社をやっている身として
少し気になることもあります
そもそも「九州全体での応援割」を
やる必要があるのでしょうか?
もちろん熊本では地震によって
観光にも影響が出ていますし
宿泊施設ではキャンセルが発生し
観光客の減少も報じられています
そこへの支援が必要で有効なことは
私も理解しています
しかし被災している地域と
直接的な被害も受けていない地域を
「九州」という一括りにして
そこに税金を投入し旅行を安くする
それが本当に今やるべきことなのか?
まずは、被災された方の生活
住宅の復旧、道路やインフラ
地元の事業者の再建
そもそも
まだ九州新幹線も不通区間があり
道路も通れない被災地のホテルに
どうやって泊りに行けるのか?
直接的な復旧支援が最優先でしょう
もう一つ、私が面白くないのが
「これをやって誰が一番
恩恵を受けるのか」です
観光業界全体を
支援する制度に見えても
実際には販売力のある大手旅行会社や
OTAが有利になるだけな気がします
大手には販売網があり
広告を打つ力もシステムもあります
大量の商品を短期間に
一気に売ることもできます
一方で私たちのような
地域の小規模旅行社には
制度を理解して商品を造成して
申請して販売して最後は精算まで
そこまでやっていったい
どれだけ恩恵があるのか
「観光業界全体を支援します」
と言いながら、販売力のあるところに
税金が集まりやすい制度なんじゃない?
と、思ってしまいます(やっかみですけど)
もっと根本的なことは
観光業は税金で助けてもらうことに
慣れっこになってはいけないと・・・
コロナの時にも観光業界は
Go To トラベルなど
さまざまな支援を受けました
あの時は未曽有の非常事態でしたし
旅行そのものができない状況でした
なので支援が必要だったことは
私も否定しません
ただ災害が起きるたびに
「キャンセルが多い」
「観光客が減った」
「風評被害がある」
そして「観光客を呼び込むために
税金を投入しよう」が
当たり前になってしまう事に
うっすら怖さを感じます
必要な支援まで『また観光か』と
言われるような業界になってはいけない
飲食も製造も運送も小売も農業も
みんなそれぞれ問題を抱えていながら
その中で「観光だから税金を使って
宿泊や旅行を安くする」という政策が
本当に公平か?冷静に考えてみる必要が
ある気がするんですが・・・
もちろん本当に困っている
被災地域の観光事業者を
助けることには私も賛成です
営業できることを伝える
安全を伝える、風評被害をなくす
そして必要な地域に
必要な支援を届ける
それなら私も旅行会社として
出来るだけ協力したいと思います
でも
「九州全体を元気にするため
旅行を安くします」
という話になると「?」と
思ってしまうのです
まだ制度詳細は決まってませんから
今の段階での批判も拙速かもしれません
ただ旅行社をやっている自分が
自分達が恩恵を受けるかもしれない制度に
それでも違和感を持っている
以前からある心のモヤモヤを
あえて今のうちに
書いておきたいと思いました
本当に困っている人を助ける事と
観光業界全体を税金で下支えする
この二つは無理くり似ているようで
別の話だと私は思っています
それでは今日はこれくらいで


